Ep.208
『僧兵鍋』
戦国時代、織田信長の家臣、滝川一益の軍勢が押し寄せた際、戦ったとされるのが湯の山温泉にある天台宗の寺院、三嶽寺(さんがくじ)の「僧兵」たち。
「僧兵鍋」はその僧兵たちが体力をつけるために食べたことが起源とされ、イノシシ、鹿、ヤマドリなど山で獲れる肉を中心とした料理だったようだ。
(武装したり肉を積極的に食べたり。この時代の僧侶は現在と印象がだいぶ違う)
現在では「鍋料理」として、
”肉を中心にしつつ数種類の味噌で煮込んだもの”
になっているらしい。
ただしこの僧兵鍋を私は食べたことがない。
町内の飲食店で提供しているという話を聞いたことがないし、あったとしても外食で鍋に行くことはなさそうだ。
(湯の山温泉の老舗旅館「寿亭」などの夕食のコース料理の一品として出てくるようだ)
それにこのご当地グルメの定義もあってないようなものである。
あえて言うならば、
“数種類の味噌で煮込む”
ことが特徴のように見えるが..
昨シーズン、御在所スキー場(Ep.33、34、95参照)を訪れた際に山頂のレストランに入ったら「僧兵丼」なる新メニューが目に入った。
僧兵鍋の姉妹版だろうか?
市販されている「僧兵味噌」を使用したとのことだ。
「僧兵丼」はとろろご飯の上に豚肉を甘味噌ダレで絡め、頂上にカイワレとレモンが載っているもので、なかなかに興味深い組み合わせと味だったが、これを食べたことで僧兵鍋に興味がわいたのも事実だ。
一度も食べたことのない僧兵鍋というものを作ってみよう。
僧兵鍋 → 肉を中心として数種類の味噌で煮込んだ鍋料理
まず味噌をどうするか。
もちろん、はなから市販の「僧兵味噌」など使う気はない。味付けの肝心の部分をできあいのものに委ねる訳にいかない。
「手前味噌2023」と赤味噌を使うことにする。
私は2021年から毎年、手前味噌を作っているが、気付けばもう3年目だ。(Ep.66参照)
他方の赤味噌も、中京圏の台所では必須のアイテム。(Ep.13参照)
続いて肉をどうするか?
ベストなのはそれこそイノシシ肉や鹿肉を使うことだ。野暮ったい雰囲気も出てくるだろう。
だがあいにく「亀山味噌焼きうどん」(Ep.120参照)のときのように手元にない。
なので通常の豚肉を使うことにしよう。
1. 手前味噌2023&赤味噌ミックス僧兵鍋
三重県産ポーク、白菜、長ネギ、エノキタケ、豆腐、手前味噌2023、赤味噌を使用。
感想;
味見したとき、ただ味噌のしょっぱさが目立つだけでこりゃ失敗だな、と思った。
が、いざ実際に食べてみると美味しくてビックリ! 出汁が非常に効いている。昆布でまじめにとったのがこんなに効くなんて。手間をかけることって、報われるんだな。
具を食べ終わった後も残った汁を活用しよう。
シメでうどんを作ることにする。
2. 手前味噌2023&赤味噌ミックス僧兵鍋味噌煮込みうどん
中京圏として面目躍如の味噌煮込みうどん。これもとても美味しくできた。
僧兵鍋。
菰野町に伝わる由緒ある料理は、それを食べたことがないものにもひらめきを与え、今後も受け継がれていくのかもしれない。
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僧兵鍋 Souhei Nabe
Ep.208
A regional cuisine of Komono town, 僧兵鍋 Souhei Nabe is inspired by souhei (soldiers armed by buddhist monks) in 16th century.
In present day, it’s shown as hot pot dish and defined “stewed by some kind of miso with meet”.
Let’s try cooking this interesting cuisine, though I’ve never eat.
1. Stewed by Self-making miso 2023 & Red-miso with Pork
2. Stewed Miso Udon with self-making miso 2023 & Red-miso
I was so surprised at this result.., because both were yummy!
https://www.kankomie.or.jp/spot/306
http://kyoudo-ryouri.com/food/1856.html